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鴻海のスピード感、サラリーマン経営者の責任感

鴻海のスピード感、経営創業者のパワーとサラリーマン社長の雲泥の差を感じる。海外から見た日本は素晴らしい、だから武士魂を!!

インターネットが普及した後の時代を考えると、メードインジャパン神話を築いてきた日本の家電メーカーはどこも苦境の時代に入った。これは、世界の情勢によるパワーバランスの変化に日本企業が付いていけなかった結果に相違ないと私は思う。
シャープの液晶投資に関しては、結果論として賛否両論だが、結果を見て話をすることは誰でもできる。評論家とは無責任な仕事で、当たり前の結果だと言っている人間は、それ以前になぜ投資の段階からそのような事を予言してこなかったのか。実際経営していないから見えてこない事だと思うが。
液晶パネルがプラズマなどほかの商品に勝利したことは明白な事実である。亀山、堺工場に巨額投資をしたことは、シャープの戦略的な一手に過ぎない。当然その後の構想も、成功していれば結果良しとして世界中から評価されていたことだと思う。しかし残念ながら、技術の進歩(模倣??)は早く、汎用製品化してしまい、台湾、韓国、中国にすぐに追いつかれてしまった読みの間違いが敗退の原因となってしまった。片山社長がこの事業を先導していたわけで、2012年以降の経営者たちは、それを立ち直させる時間的余裕はあったはずだと思う、が、こうなってしまった。決断力とスピード、情報力の読み間違いの結果だと思う。
台湾に住んでいるので、鴻海のすごさは毎日目のあたりにしていた。李登輝のIT戦略の恩恵を受け、世界の生産工場にのし上がった鴻海は、常に技術世界の話の話題に上がり続け、そこもかしこも鴻海と取引をするようになっている。売り上げは、15兆、130万人の社員を抱える巨大企業である。しかも郭会長一人で作り上げた企業である。
OEMを中心に、薄利多売で、しかもノーブランドの会社である。凄い!
なぜ今鴻海が勝っているのか、それは貪欲さと、決断スピード、戦略だと思う。次の狙いは、自社ブランドを持って、世界企業にしたいという思いからだと思う。李登輝時代のIT戦略を持って、台湾は一流のIT立国になったわけであるが、IoTに関する今後の世界の潮流を考えるに当たって、既に世界中から技術力と実力を取り尽くした鴻海は、今後ITカーやロボット、はたまた人工知能を利用した製品を手掛けるだけの要素は十分に持っていると思う。アップルのIPHONE生産でも分かる通り、今後グーグル、アップルなどの世界最先端企業との協業が彼らの進んでいく道である。しかしながら、経営者の自分として考えてみると、まだ欲しいものが鴻海にはある。下請け屋の次は、十分な資金、技術、知恵を持っているのなら当然自社ブランドを持ちたいと思う事は、経営者としての摂理だと思う。
それではどうするか、自分なら、既に世界的に知名度が有り、工場設備も十分投資され、優秀な社員がそろい、一人当たりの生産コストが業界で低い(この意味は、逆をただせばやりようによっては儲けることが出来る)、しかもメードインジャパン、日本、、、、これらのキーワードを探っていった結果がシャープに行きついた原因だと思う。パナソニックが買ったサンヨーではないはずです(買う趣旨が違うので)。今交渉は、鴻海を中心として、シャープはあたふたしている状況です。
この差は何か、創業者のパワー経営とサラリーマン経営者の会社に対する思いだと私は思います。何が違うか、それはたった一人で決める事が出来る決断力とスピード感。それに比べ片や稟議だ、会議だ、日本政府が、銀行がと何も判断を下せないサラリーマン出身の経営者の当事者意識、スピード、パワーの差、これに尽きる。
柳井さん、孫さんなど見れば一目瞭然だと思いますが。自分の尊敬する森田さんも強烈だった。
これから世界に打ち勝つためにはどうすればいいのか。簡単です。サラリーマン意識からの完全脱却。この一言に尽きます。今では、神話となっている古森さんなど脱却された素晴らしい経営者も多数存在するので、勇気をもって、責任をすべて自分で被る気概を持つことが必要です。
我々は日本人です。
武士になる事です。  出来ます。